忙しい人のための家計管理の要諦

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仕事に家事・育児に忙しくてとても家計簿なんてつけられないけど、家計の管理は大事だよねって思っている人のために、お手軽にできる家計管理の要諦を記してみます。

先に結論です。
下記の方法で管理すれば、最小限の労力で100点満点中80点くらいの家計管理は可能と思います。

・普段は「家計簿アプリ」でデータ連携
・任意の時点で「財産目録」を作成
・「軌道修正」の要否を検討

以上、これだけ。実にシンプル。

それぞれを詳述するのに先立って、前提の話を少々いたします。

Q.そもそも家計管理をする目的は何でしょうか?

A.目的の一つは、家計を破綻させないためです。
人により目的は様々で、別にそれが唯一って訳でもないでしょうけど、根底にある共通の目的は破産の防止でしょう。

Q.では、破綻する家計と破綻しない家計の違いは何でしょうか?

A.キャッシュフローがプラスかマイナスかの違いです。
経常的にプラスのキャッシュフローを維持できていれば滅多に破綻しませんが、マイナスが続くようならいずれ破綻します。

Q.自分のキャッシュフローがプラスかマイナスか判断するにはどうすればよいでしょうか?

A.「純資産の増減」を定期的にチェックするのが最も簡単かつ確実だと思います。

Q.家計管理といえば「家計簿」じゃないの?

A.いわゆる「家計簿」は煩雑で挫折しやすいので必須とは思っていません。実は上級者向けかと。
税務申告や第三者への説明が不要な方や、ただの自己管理目的の方は、家計簿アプリを使ってデータ連携させるのが吉。

普段は「家計簿アプリ」でデータ連携

特に抵抗がなければ、家計簿アプリはかなりオススメです。
銀行口座を紐付けて費目を学習させれば、あとは自動的に集計してくれます。
お店での買い物やネット通販もクレジットカード払いにすればデータ連携できます。
コード決済関係は連携できるものとできないものとありますが、連携できなくてもレシートをカメラで読ませるとすべてを手入力しないで済みます。
ものによってはうまく読めなくて、全部手入力する場合もあるけれど…。

私の場合、家計簿アプリは「マネーフォワード」を利用しております。
「毎月だいたい何にいくらくらい使っているか」とか「今月は何か大きな支払いがあったか」を掴みたいのですが、それらは十分把握できているので、とても助かっています。
なるべく手入力を減らしたくて、どんなに少額でもカード払いするようになり、今ではほとんど現金払いはしなくなりました。

ちなみに、私がメインで使用しているクレジットカードは楽天カードです。
年会費無料なのにポイントが貯まりやすく(還元率1%)、データ連携により集計の手間が省けるので、一石二鳥です。

何よりも「ああ、家計簿つけなくちゃ」みたいな義務感や、「今日もできなかった…、また今日も出来なかった…、またまた今日も出来なかった…」みたいな罪悪感から解放されるので、心の平穏にプラスです。

任意の時点で「財産目録」を作成

財産目録とは何かというと、任意の時点で自己が保有するすべての財産とその金額を一覧表に書き出したものです。
2人以上の世帯であれば、(本人の同意が得られれば)全員の財産を対象として書き出します。
簿記や会計でいう、「貸借対照表」のようなものです。

(例)プラスの財産
  現金  ×××円
  A銀行 ×××円
  B銀行 ×××円
  C証券 ×××円
  D生命 ×××円
   :
  合計  ×××円…①

借入金や未払金などもあれば、それらもすべて書き出します。

(例)マイナスの財産
  クレジットカード ×××円
  住宅ローン    ×××円
   :
  合計       ×××円…②

プラスの財産とマイナスの財産の差し引きを計算して、正味の財産(純財産)を把握します。

(例)純財産
  ①×××円-②×××円=×××円…③(○年○月)

この純財産を定期的にチェックします。
2つの時点の増減からキャッシュフローのプラス・マイナスを判断します。

  ③’  ×××円(○年△月)
  ③’-③=×××円増加(または減少)

私の場合は、毎月月末時点で把握するようにしておりますが、半年に一度でも一年に一度でも任意のタイミングで構いません。
実際、私も子が生まれたあとや自宅新築時期や仕事の繁忙期などでしばしば中断することもありましたが、いつ中断し、いつ再開させても特段影響ない点が優れていると思います。

一方で、家計簿だとこうはいかなくて、1日だけ付けてもあまり意味はありません。
家計簿は、簿記や会計でいう、「損益計算書」のようなものなので、一定期間(例えば1ヶ月間)の数字をすべて追いかけないとそこそこ参考にできる数字になりません。
ゆえに、「家計簿アプリでデータ連携」×「財産目録の作成」が最も労力を少なくできるのでオススメなのです。

「軌道修正」の要否を検討

家計管理において一番大事なのは、軌道修正の要否の判断です。
集計結果は判断材料の一つに過ぎず、そこがゴールではありません。
家計簿等をつけて力尽き、あるいは満足して「で、今後どうするのか」に繋がらないと家計管理にはなりません。
現状のままでいいのか、どこか改善するところがあるのか、定期的に検討することが重要です。

キャッシュフローがマイナスの場合、支出の内容から経常的にマイナスになるようなら、早急に支出を見直す必要があります。まずは収入の範囲内で生活できるように支出を調整しましょう。

キャッシュフローがプラスの場合、とりあえず現状のままでも破綻することはないとは思いますが、将来予想される支出に備えた貯蓄の進捗状況によっては改善が必要なときもあります。

その辺の判断は、その方の価値観にかなり影響を受けますので、唯一の正解というものはありません。
貯蓄がどの程度できているか、財産目録から推測できても、それが適切な水準か否かは「その人による」としか言えない訳です。
将来に向けて貯蓄をし過ぎて、現在の消費に窮するのでは幸せな人生とは言えないでしょうし、その逆もまた同じです。このバランス感覚は、その方の価値観と言い換えることができます。
軌道修正の要否判断は、つまり、ご自身の価値観の再確認でもあります。

2人以上の世帯であれば、さらにパートナーや家族の価値観とのすり合わせも必要になるはずです。
互いが同じ目的地・同じ航路をイメージできていれば、軌道修正(支出を減らしたり、収入を増やしたり)するにしても、理解・協力が得やすいと思いますが、イメージが共有できていないと話が噛み合わなくなります。

私の家の場合は、月に一度、月初に前月末時点の財産目録を私が作成し、その都度パートナーに簡単に報告しています。
報告に対して特に何かコメントがあることはあまりありませんが、いま進もうとしている航路をパートナーと共有する機会として、今後も欠かせないと思っております。

100点を目指すなら他にもいろいろやることはあると思いますが、忙しい人は欲張りすぎず、とりあえず80点でいいのではないでしょうか。
余裕があればもっと上を目指す感じで。

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