転職後2年未満でも希望した住宅ローンが借りられた事例

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まだ新型コロナウイルスが流行する前の世界。
日本の消費税率が8%だった頃の話。
子が生まれ家族も増えてきたのでいよいよ新居を建てるべく、週末ごとに住宅展示場へ足をはこび始めた時期だったと思う。
諸般の事情により、自分の身に退職と入社が同時に起こった。
実質的には雇用継続なのだが、書類上、転職したことになり、10年以上あった勤務年数がある日を境に0にリセットされてしまったのだ。

住宅ローンで重要視される審査項目の一つに「勤務年数」があることは何となく知っていたので「不味いかな」と思っていたら、案の定、不味かった。

地銀の事前審査で融資不能といわれる

ハウスメーカーの担当者からの勧めもあって、地元の地方銀行に住宅ローンの事前審査(仮審査)を申し込んだが、すぐに「融資できない」との回答をいただいた。
担当者は「フラット35を使えば大丈夫ですよ」と慰めてくれたが、金利などの条件面で相対的に魅力が感じられなかったので、自分で検討していたネット銀行系の住宅ローンに申し込んでみることにした。
ただ、一般的には、メガバンクや地銀・信金系よりもネット銀行系の方が金利が低い反面、審査が厳しい傾向にあるとの話を聞いていたので、普通に申し込めば断られるに違いないと思い、自分なりに対策を講じることにした。

「被保険者記録照会回答票」を添付して、勤務年数の説明資料とする

被保険者記録照会回答票とは、いつからいつまでの期間どこの会社に勤務していて…、というのを年金加入当初から現在に至るまで網羅的に一覧表にしたもので、職歴を公的に証明する効果がある。
これに自分で若干の説明文を添えて、実質的な勤務年数が10数年あることをアピールした。
ちなみに、被保険者記録照会回答票は年金事務所の窓口へ行けば無償で発行してもらえる。
また、ねんきんネットによる電子版「被保険者記録照会回答票」なら自宅のパソコンからでも確認できて便利だ。

申込金融機関に定期預金を集中させる

独身時代は実家暮らしが長く、趣味もそれほどお金のかからないものであったため、給与自体はお世辞にも多い金額とは言えないものの、給与受取口座にはまあまあの残高が普通預金のまま眠っていた。
ただ、地銀の普通預金の利率は当時から低かったので、ある時期から比較的金利が高いネット銀行に口座を設けて定期預金に集中させるようになった。
これが後に住宅ローンを申込んだネット銀行でもあり、審査の際には保有資産として確実にカウントしてもらえることを見込んでの資金移動でもあった。

転職後2年未満でも希望した住宅ローンが借りられた

上記以外にも多くのいろいろな要素が絡むのだろうが、結果的に自分の希望していた条件で住宅ローンの審査が通った。
詳述は割愛するが、新規の全期間変動金利で年利0.4%台で希望の金額、希望の年数の融資を受けることができた。
書類上、勤務年数2年に満たない私が。
なお、固定金利と変動金利の選択の話については、人によりいろいろな考えがあると思うが、機会があれば私なりの考えも改めて整理してみたい。

ただし、つなぎ融資は受けられなかった

無事に審査も通り、思い通りに事が進んだかに見えたが、一つ誤算だったのは、ハウスメーカーとの契約で、着工後に工事の進捗に応じて中間金をお支払いすることになっていたことだ。
私はそのことをすっかり忘れていた。
上記のネット銀行ではつなぎ融資の商品をそもそも取り扱っていなかったため、その資金調達をどうするかで直前になって慌ててしまった。
地銀系の多くは住宅ローン用のつなぎ融資も扱っているらしいので、地銀もネット銀行も一長一短ある。
いざとなれば定期預金を解約して中間金を支払うことも可能ではあったが、結局、ハウスメーカー側の御厚意で完成時に一括支払でよいことになり、これは大変ありがたかった。
これから戸建て住宅を新築される方は、是非、中間金やつなぎ融資のことまで考慮していただくと良いと思う。

住宅ローンの審査を受けてみて良かったことは、融資を断られる気持ちや融資が受けられるかどうかについて不安・心配に思う気持ちが当事者として経験できたことです。
本業の方面では、事業用の融資の話は日常的に話題に上っていたので、資金繰りについて不安・心配に思う社長の気持ちは、頭では分かっていたつもりでしたが、この件を通じて「身に染みて」よく分かるようになった気がします。

以上、皆様が心穏やかに資金調達ができますよう、お祈り申し上げます。

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